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絵手紙を始める前までは、風景を描くばかりで、野菜・果物など部屋の中で、静物を描くという経験はありませんでした。ところが、絵手紙ということを知り、自分の趣味として、毎日描くようになりました。 ある人と三百六十五日交換するようになり、外に出て風景をスケッチする時間はとれないので、必然的にその時々の野菜など四季に収穫できるものに、目が向くようになりました。
夏が来ると思い出します。それは二十四年前の夏のことです。私は、絵手紙にはじめてのトマトを描きました。近所の農家自家製の、まだ青い色の残る形がいびつなトマトでした。そのトマトの形を描き、色を着けながら、いろいろなことを更に思い出していました。それはまた遠い遠い昔の、私の中学生の頃の、真夏のことでした。
最近、いちばん感じるのは、「絵を描く際のモチーフ」のことです。最初に書いた「真夏のトマト」の思い出に関連するのですが、絵手紙を初めた頃は「これを描いて見せて」と声をかけられると「はいよ」と、すぐ描いたものです。しかし、最近は「このモチーフは、感動しないから描けません」とお断りすることもあります。それは、いざ描いてみると、気持が乗るものと乗らないものがあることに気づいたからです。モチーフにより、感動するものと感動しないものがあるためです。
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